現在JEVRAが開催している電気自動車レースでは、各サーキットへ充電環境を持ち込んでレースを行なっている。現在日本国内で施設内に常設の急速充電器を設置しているサーキットは筑波サーキットのみである。そのため、車載バッテリーを使い切るような戦いを展開するレースとなるため、予選後および決勝後の充電は欠かせない。そのため、JEVRAでは移動式の充電ユニットを持ち込み、有料ではあるがこの充電サービスを行なうことで、EVレースを行なっているのである。
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そんなEVレースだが、近年参加台数に大きな変動は見られないものの、各車両のバッテリー容量の増大が進んでおり、さらにはより大容量バッテリーを搭載した輸入EVの参戦を見込み、その充電システムの補強に踏み切ったということである。
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これまでは東洋電産の仕立てた充電サービストラック「T救号」を持ち込んでいた。これは同社のNMG発電システム(トラック車載オルタネータを置き換える発電システムで、トラックのエンジン駆動で電気を得るシステム)と蓄電バッテリーを搭載。さらには急速充電器を搭載しており、CHAdeMO方式での各車両への充電が可能となっていた。他にも各サーキットの施設電源から交流200Vでの充電なども行なっていた。
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今回新たに、野外コンサートなどでの電源車両を多数そろえるICCインターナショナルのサポートを受け、今シーズンからJEVRAレース開催サーキットへ電源車両が持ち込まれることとなった。それに合わせ、デルタ電子製の壁掛け式DC25kWタイプの充電器(CHAdeMOおよびCCS対応機)を導入。これにキャスターをつけて現場での充電に対応するように改良している。そしてもう一台、中国のELECTWAY社のJEVRA専用60kWタイプの移動式DC急速充電器である。こちらもCHAdeMO方式だけでなくコンボのCCSにも対応するモデルである。
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そのどちらも超コンパクトな筐体に収められており、この2台の充電器はJEVRA事務局が直接会場に持ち込むという。JEVRAでは、電源充実でより多くの参加車両に迅速に充電サービスを提供できるとしている。