全日本ラリー選手権も新型コロナウィルス感染拡大の影響で日程変更等の調整が行なわれていますが、2月に予定されていた開幕戦の「Rally of Tsumagoi」は開催中止となってしまいましたが、3月19日~21日、愛知県新城市で開催となります。残念ながら昨年に引き続いて無観客での開催となってしまっていますが…。

今シーズンは、GRヤリスの登場で、この全日本ラリーでも他のモータースポーツ競技同様、業界がざわついています。TOYOTA GAZOO Racingから、昨年までスバルWRXに乗っていた勝田範彦選手(コ・ドライバーは木村裕介選手となります)、そして昨年までヴィッツGRMNでJN2クラスに参戦していた眞貝知志/安藤裕一組が、JN1クラスに参戦するGRヤリスに乗ることとなりました。
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そんな新たに登場する車両がある中で、姿を消してしまう車両もありました。それが、三菱ランサー・エボリューションX(CZ4A)です。その登場となる2008年から昨年までの13シーズン、常にこのエボXに乗ってきた奴田原文雄選手がランエボでの参戦から引退すると表明したのです。
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奴田原選手といえば、1991年のミラージュ(E-C83A)以来一貫して三菱車に乗ってきています。本人も「頑丈で耐久性があって、過酷な走行状況が続くラリーにはメリットになるんです」と評価しています。
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最近はスバルWRX勢に台数では押され気味で、このアドバンカラーの奴田原・佐藤選手が孤軍奮闘といった感じでした。登場から13年も経っていれば「モータースポーツの第一線で戦うのも無理だろう、そりゃ新しいクルマに変えるのもわかる」という人もいるかもしれませんが、いえいえ、それどころか、昨年の新城ラリーで優勝したのは、この奴田原選手のランエボXなのです。まだまだ全然トップタイムを叩き出すことのできる車両です。頑丈だという通り、奴田原選手がこの13年間に走らせてきたランエボXは2台だけ、とのことです。まさに「ベストラリーカー」と本人が評しているとおりです。

なぜランエボ引退なのか?
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というところですが、この奴田原選手が走ってきたADVAN-PIAAラリーチームを運営するタスカエンジニアリングが、そのラリー事業を昨年末をもって終了することとなったのがその主たる原因のようです。
NUTAHARA Rally team
新城ラリーは欠場となるようですが、奴田原選手は新たにに「NUTAHARA Rally team」を立ち上げADVANカラーを身に纏ったGRヤリスで、JAF 全日本ラリー選手権・第3 戦「ツール・ド・九州2021 in 唐津(佐賀県唐津市)」から参戦開始となるようです。で、気になるのが、まだまだ戦闘能力の高い、ランエボ2台の行方、だったりします。