オフィスBMの取材日誌 自動車系物書きのクルマとバイクと…

記者として、カメラマンとして 日々自動車&バイク関連を追いかける、クルマメディア業界の何でも屋・青山義明のブログです。

2019年06月

アメリカの標高4302mの山、パイクスピークの観光道路を閉鎖して競われる「第97回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」は、現地時間6月30日(日)に決勝を迎える。レースウィーク5日目となる28日(金)は追加練習走行日。これまで3日間の練習走行が行われてきたが、この日の3時間を最後に決勝までの走行セッションはすべて終了となる。
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パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、アメリカ・コロラド州にあるパイクスピークを舞台に1916年から開催されているヒルクライムレース。毎年アメリカの独立記念日前の週末に開催されている。コースは普段は観光道路して使われている有料道路。その道路の標高2862mのスタート地点から頂上の標高4302mのゴール地点まで、156のコーナーがある全長20kmの区間をだれが一番速く駆け上がるかを競う、極めてシンプルなレースである。が、その標高差は約1500mで、ゴール付近では酸素が薄く、内燃機関のエンジンの出力は約30%低下するといわれている。パイクスピークヒルクライムレースの練習走行終了

もともとダートの登山道だったが、2012年には道路全域が舗装されている。この舗装化をきっかけに年々タイムは短縮。ダート部分が残っていた2011年にようやくモンスター田嶋こと田嶋伸博選手が、誰も破れないといわれていた10分の壁を初めて切った。だが、現在の最速タイムは昨年ロマン・デュマ選手が出した7分57秒148。わずか7年で3分も短縮されてしまっている。

今年のパイクスピークは、天候不順で、非常に寒い日々が続いている。レースウィークを前に用意された事前のタイヤテスト日には、頂上付近の降雪もあってコースは路面が凍結していて走行ができなかったり、開催も危ぶまれたほどだ。しかし、レースウィークになって天候は回復し、例年に近い状況で無事に練習走行も全4日の日程を終えることができた。
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最後の練習走行に参加した日本人ドライバーは小林昭雄選手(#249 2000年式ポルシェ911GT3)のみ。コースを3分割したセクションの中で、もっとも距離の長いボトムセクションで、予選タイムを上回る走りができたということで決勝への手ごたえを感じているようだった。

一方、吉原大二郎選手(#86 2013年式トヨタ86)、そして今回日産リーフe+で参戦する奴田原文雄選手(#230 2019年式日産リーフ)は、最後の練習走行には参加はしなかった。
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奴田原選手の今回のアタック(決勝)は、全開で頂上まで走り切るを目標に挑戦。リーフのバッテリー冷却に、リチウムイオンバッテリー温度管理システムを提供しているサンデン・アドバンストテクノロジー社(サンデンAT)のスタッフと協議をした結果、練習走行はせずにバッテリーを休ませる判断を下したのだ。

サンデンATは、自動車各社に自動車用空調システムなどを供給するサプライヤーであるサンデングループの先行技術開発部門だが、現在独自にEV用の熱マネジメントシステムの開発に着手しているという。パイクスピークに持ち込んだシステムは、バッテリーの温度上昇を40%抑えることができるとしており、奴田原選手のリーフをサポートする。
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リーフe+は、従来モデルよりバッテリー容量が拡大しているため、航続距離という点では全く問題なく走行できるそうだ。しかし、全開走行時の熱上昇によるセーフモードが介入してモーターの出力が絞られてしまえば、タイムを狙うことができない。そのため、いかにバッテリー温度の上昇を抑えるか、が今回の挑戦の肝となっている。

バッテリーは、充電、放電(EVの場合は走行)で温度が上昇する。そのため、スタートまでにバッテリー自体の温度を下げて決勝レースに臨めるようにするため、27日(木)の走行を終えた後に満充電にし、その後はバッテリーを2日間放置。バッテリー内部の熱を取ることにしている。

ちなみにサンデンATは今回得られたデータをもとにEVの熱マネジメントシステムの開発につなげていきたいとしている。
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なお、奴田原選手とリーフはもちろん、練習走行最終日を終えた全チームは、マシンをパイクスピークのふもとの町であるコロラドスプリングスのダウンタウンで行われるファン・フェスタへ持ち込み、ファンとの交流を楽しんだ。

6月30日(日)に決勝を迎える「第97回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」は、初開催が1916年と、1914年から続いているインディ500(インディアナポリス500マイルレース)に次ぐ2番目に古い歴史を持つイベントだ。今年もアメリカ・コロラド州にある標高4302mを誇るパイクスピークという山を舞台に、世界各国から集まったチームの熱い戦いが始まる。
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2019年のパイクスピークは、6月25日(火)から4日間にわたる練習走行がスタートしている。エントラントは3つのグループに分けられ、1日1グループが予選を行っており、3日目の今日は、最終組となる4輪グループBの予選日というなる。

グループBの車両は、基本的には市販車クラスのタイムアタック2クラスがメイン。前日に予選を行ったグループAのアンリミテッド・ディビジョンおよび市販車改造クラスのタイムアタック1クラスの走行タイムを打ち破る車両が出てくることに注目が集まった。
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この日の予選トップは、パイクスピーク・オープンクラスのピーター・カニングハム選手(#42 2019年式アキュラTLX GT)の3分51秒770。
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結果、前日3分31秒047のタイムで暫定トップとなったアンリミテッド・ディビジョンのロビン・シュート選手(#49 2018年式 Wolf TSC-Honda)がそのままトップとなり、4輪の1番手で走行することとなった。2番手スタートとなったのは、これまた前日に3分51秒097を出したタイムアタック1クラスのラファエル・アスティア選手(#19 2017年式 ポルシェ911 GT3 Cup Turbo)。そして3番手にカニングハム選手となった。

ちなみに2輪の予選トップはエキシビション・パワースポーツクラスに参戦のカーリン・ダン選手(#5 2019年式ドゥカティStreetfighter V4 プロトタイプ)の4分9秒550となっている。ダン選手は、2012年に2輪で初めて10分の壁を破る9分52秒819の記録を作り、2011年からこれまで通算4勝を挙げるトップ選手である。

日本人選手では、パイクスピーク・ヘビーウェイトクラスの井上哲悟選手(#54 2018年式カワサキZ900RS/4分28秒232)が6番手、自作EVマシンで参戦する岸本ヨシヒロ選手(#39 2019 TEAM MIRAI Mark Coverdale IdatenX HC/4分42秒188)が11番手。エキシビション・パワースポーツクラスに参戦する新井泰緒選手(#183 1979年式カワサキZ1000/5分2秒348)が17番手となっている。ちなみに2輪の出走順は、4輪とは逆で、予選タイムの遅かったほうからスタートする。

4輪予選上位を占めるグループAの練習走行はミドルセクション。森林限界を超えて、崖沿いのつづら折りのコースを登っていく。コース長は3つのセクションで最も短い。この日は、天気は良かったものの未明から強風が吹き荒れる厳しい状況。それでも4輪部門で参戦する日本人3選手も、それぞれこのミドルセクションの攻略を模索。
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7番手出走を決めた吉原大二郎選手(#86 2013年式トヨタ86)。
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小林昭雄選手(#249 2000年式ポルシェ911GT3)は41番目に出走することが決定した。
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奴田原文雄選手(#230 2019年式日産リーフ)は日本人6選手のオオトリ、46番目に出走となる。 パイクスピークのプラクティス・デーは、明日の追加練習日が決勝前に走行できる練習走行最終日となる。日本人3選手はボトムセクションでの走行。ミドルセクションは2輪。そして今日予選を行った4輪グループBはアッパーセクションを走行する。

そして、コロラドスプリングスの市民が楽しみにしているファンフェストが、夕方5時からコロラドスプリングスのダウンタウンで行われる。これはパイクスピークに参戦する全チーム・全ドライバーが参加するお祭りで、ファンとの交流が行われる。

6月30日(日)に決勝を迎える「第97回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」は、初開催が1916年と、1914年から続いているインディ500(インディアナポリス500マイルレース)に次ぐ2番目に古い歴史を持つイベントだ。今年もアメリカ・コロラド州にある標高4302mを誇るパイクスピークという山を舞台に、世界各国から集まったチームの熱い戦いが始まる。
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パイクスピークでは、全長20kmに及ぶ競技区間があるが、それを通しで走行できるのは決勝日の1回のみ。事前に行われる練習走行では、20kmの競技区間をボトム、ミドル、アッパーの3つのセクションに分けて、それぞれを走る。エントラントは3グループに分けられ、3つのセクションを1日1つずつ走行。つまり3日間でトータルすれば全競技区間を走行したことにはなるが、通しで走らないと露呈しないマシンセッティングもあるはず。そんな一発勝負なのが、パイクスピークの特徴の一つでもある。
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日本人ドライバーが参戦するタイムアタック1クラスはグループAに分けられている。グループAは25日アッパー、26日ボトム、27日ミドル、そして追加練習日となる28日は再びボトムと、2回ボトムセクションを走行することとなる。ちなみに、このボトムでのラップタイムが予選タイムとなる仕組みだ。つまり練習走行2日目となる26日が、予選日ということとなる。
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26日もスケジュール通り午前5時半、まだあたりがうっすらと明るくなり始めたタイミングで、セッションはスタートした。ボトムのスタート地点は、そのまま決勝のスタート地点となる。練習も兼ねた走行がスタート。1台ずつコースインしていくのだが、グループ内のマシンがすべて走り終わると再びスタート地点に一斉に戻る形式になっている。ボトムセクションは3分割したコースの中で最も距離が長いこともあり、全マシンが走り終えるまで、それなりに時間を要する。それゆえ計測(走行)回数も非常に限られることとなる。ただ、この日の予選では、大きなトラブルもなく無事に3回の走行が行われた。
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この日の走行時間は、前日と同じく好天に恵まれた。トップタイムは、ロビン・シュート選手(#49 2018年式 Wolf TSC-Honda)の3分31秒047。2番手のタイムが3分51秒097を出したタイムアタック1クラスのラファエル・アスティア選手(#19 2017年式 ポルシェ911 GT3 Cup Turbo)となった。
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4輪59台、2輪27台が参戦する今回のパイクスピークだが、そのうち30名がルーキーとして初挑戦している。吉原大二郎選手(#86 2013年式トヨタ86)もそのルーキーの一人。ところが、この日の3番手タイム(4分4秒430)をマークしたのだ。
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吉原選手はこれまで何度かパイクスピークへの参戦エントリーはしていたものの、実際の出走には結びついていなかった。今回の参戦車両のトヨタ86は、エバーシヴ・モータースポーツが所有し、3年前までにロブ・ウォーカー選手が実際にこのパイクスピークに参戦していた。マシンとしては、今年5回目の参戦となる。吉原選手は、過去にこのチームでの走行経験はなかった。だが、Formula Driftで吉原選手をサポートしているエネオスが、このチームをスポンサードしている関係で今回のコラボレーションが実現したわけだ。

パイクスピークについては「すごく楽しくて、予想していた通り。これまでパイクスピーク経験者のケン具志選手や吉岡稔記選手にアドバイスもらったり、ビデオとかシミュレーターで勉強してきたんですが、なかなか奥が深い、思ってたより深いですね」と吉原選手。

「昨日は一番難しいといわれているトップセクションを始めて走行したんですが、思っていたよりもすごく路面がバンピーで、ブラインドコーナーもわかりづらくて、全然プッシュできなかった…・・・。一番難しいところが全く乗れていないけれど、次が本番という。これこそがパイクスピークの難しさ、ですね。今日からレンタカーでトップへ登ってどこまで安全に速くいけるか、勉強します」とルーキーらしいコメントをしている。

「ただ、今日のボトムセクションは、2週間前の練習走行でもしっかり走っていて、今日の予選では、チームが目標としていたタイムよりも、速く走れたので満足しています」と手応えを感じている様子。
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同じタイムアタック1クラスに参戦する小林昭雄選手(#249 2000年式ポルシェ911GT3)のタイムは4分52秒737。「昨年よりは少しまともに走れたかな。クルマは基本タイヤ以外は変わっていなくてセットアップを少し詰めることができて、ドライバーが慣れた部分もあって、前回よりも10秒近くタイムを短縮できて、少しは競技レベルになってきたかな」とコメントしてくれた。
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日産リーフe+で参戦する奴田原文雄選手(#230 2019年式日産リーフ)は、充電トラブルがあって充電容量不足の状態となってしまっており、1本目は昨年のタイムを上回る5分6秒167のタイムで走行。そして2本目の走行でさらにタイムアップを狙ったものの、途中で電欠し、予選アタックを終了せざるを得なくなってしまった。明日27日は予選最終日。4輪のグループBが予選を行い、予選トップ(出走順)が決定する。

アメリカで開催されている伝統のヒルクライムレース「第97回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」の練習走行がスタートした。世界18カ国から集まった88台の参加があり、日本からは6人の選手が参戦する。全日本ラリードライバーの奴田原選手は、2年連続で電気自動車の日産リーフでチャレンジしているのだ。
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パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、アメリカ・コロラド州にある標高4302mを誇るパイクスピークという山へ登る観光道路の一部をコースとして開催されているレースである。1916年に初開催。アメリカでインディ500に次ぐ長い歴史を持つレースだ。スタート地点からすでに標高が2862mあり、頂上のゴールに向かうほどに徐々に酸素が薄くなっていく中で、全長20kmに及ぶ競技区間でミスなく山を登りきる必要がある。
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現地時間6月30日(日)の決勝を前に、6月25日に全参戦車両が練習走行を開始した。このパイクスピークでは、練習走行はエントラントを3分割。それぞれが、コースのボトム、ミドル、アッパーの3つのセクションで練習走行を行う。ただし、1日で走れるのは1つのセクションのみ。3日間をかけてすべてのセクションを走行することになる。

奴田原文雄選手(#230 2019年式日産リーフ)、小林昭雄選手(#249 2000年式ポルシェ911GT3)、吉原大二郎選手(#86 2013年式トヨタ86)の日本人ドライバー3名が参戦するタイムアタック1クラスは、初日にアッパーセクション、2日目にボトムセクション、3日目にミドルセクションを走行。
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ちなみにボトムセクションの走行は、そのまま予選セッションにもなっている。つまり、このボトムでのトップタイムを出したクラスから決勝レースの進行が決められる。また、3つのセクションを通しで走る機会は決勝のみ、1年のたった1日、そして1回きりの勝負となるのがパイクスピークなのだ。
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練習走行セッションは、日の出前の午前5時半からスタート。舞台となる観光道路のパイクスピーク・ハイウェイの営業が始まる30分前の午前8時半までの3時間が、走行時間として設けられている。この時間に1台ずつが走行するワンカー・アタック。そのセクションを走行する全車がゴール地点に上がったらスタート地点まで一斉に山を下り、そこから再びワンカー・アタックを繰り返す。距離の短いミドルセクションは何度も繰り返して走行することができる場合が多いが、距離の長いボトムセクションは数回しか走れないことも多い。
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コロラド周辺では、レースウィーク前週から初夏とは思えない寒さと降雨が続いており、このロッキー山脈の一部も降雪と路面凍結を繰り返している。山に登ると、ここ数年よりも明らかに周囲の積雪が多く、コース脇に設けられた側溝を流れる雪解け水も凍り付いたままだ。

練習部初日の天候は快晴。心配された寒さも前週と比べればだいぶ和らいだものの、それでも例年よりは厳しい寒さの中での走行となった。さらに毎年の厳しい寒さによって、舗装された路面は年々うねりがきつくなり、この日のトップセクションでの走行はコースアウトする車両があり、何度もセッションが中断された。結果トップセクションの各車は、3回の走行ができただけで時間切れとなってしまった。パイクスピークヒルクライムレースに日産リーフが参戦

走行を終えた奴田原選手は「路面が以前よりもバンピーになってたね。しかも車速が乗っているところだから、少し慎重にいかないと」とコースについてコメント。また、新型リーフについては「去年のリーフよりも速くなった。速くなったけど、その重さを顕著に感じる。その分ブレーキもきつくなっているし」とその難しさを語っていた。

タイムアタック1クラスは、翌6月26日(水)は、ボトムセクションを走行する予選日となる。ここでのクラストップタイムによって決勝出走順が変わるため、毎年天候が崩れるパイクスピークだけに、早めの出走順を取りたいところだ。

アメリカで開催されるスタート地点とゴール地点の標高差1500mと世界でもトップレベルの過酷なヒルクライムレース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」。現地時間6月30日(日)には決勝レースが行われる。今年で第97回というこのレースウィーク初日は、世界各国から集まった88台のマシンの車検からスタートする。
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アメリカ・コロラド州にある標高4302mを誇る山を舞台に1916年からほぼ毎年、アメリカの独立記念日前の週末に開催されているヒルクライムレース、それがパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(以下パイクスピーク)である。1914年から続いているインディ500(インディアナポリス500マイルレース)に次ぐ長い歴史を持っている。
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スタート地点の標高は2862m。そして頂上の標高4302mのゴール地点まで、156のコーナーがある全長20kmの区間でレースが行われる。標高差は約1500m。ゴール付近では酸素が薄く、内燃機関のエンジンの出力は約30%低下するといわれている。ここをだれが一番速く駆け上がるかを競う、極めてシンプルなレースである。
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決勝1週間前となる6月24日(月)の車検から公式スケジュールはスタートした。パイクスピークのふもとの町であるコロラドスプリングスの「ブロードモア・ワールド・アリーナ」の駐車場には、朝からパイクスピークらしい実に多種多様な参戦車両が車検の順番を待っていた。その数88台。参加国をチェックするとじつに17カ国と参加する人たちも多彩だ。
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今回、日本から参戦するのは6選手、と昨年の倍となる。昨年に続き参戦するのは、ラリードライバーで電気自動車(EV)の日産リーフで参戦する奴田原文雄選手(#230 2019年式日産リーフe+)と、BRIGヒルクライムシリーズに参戦を続けている小林昭雄選手(#249 2000年式ポルシェ911GT3)。
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また、カリフォルニア在住でFormula DRIFTで活躍している(2011年のFormula DRIFTチャンピオン)吉原大二郎選手(#86 2013年式トヨタ86)が、パイクスピーク・ルーキーとして今回初参戦となる。4輪の3選手は、ともにタイムアタック1クラスに参戦する。
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そして2輪部門では、パイクスピーク・ヘビーウェイトクラスに井上哲悟選手(#54 2018年式カワサキZ900RS)、エキシビション・パワースポーツクラスに、テイスト・オブ・ツクバ(TOT)をはじめ各地のスピードイベントに参戦する新井泰緒選手(#183 1979年式カワサキZ1000)、そして自作EVマシンでマン島TTに続いて参戦する岸本ヨシヒロ選手(#39 2019 TEAM MIRAI Mark Coverdale IdatenX HC)の3名となる。
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パイクスピークで伝説のドライバー、ロッド・ミレンを父に持つリース・ミレン選手は、フライングアボカドと呼んでいたベントレー・ベンテイガ(量産SUV最速記録となる10分49秒9を達成)から、今年は6リッターW型12気筒ツインターボエンジンを搭載するベントレー・コンチネンタルGTクーペに乗り換えて参戦する。ターゲットタイムは、2015年にデビッド・ドナー選手が出した10分26秒896(2014年式ポルシェ911ターボS/タイムアタック2クラス)。ゼッケン100はベントレーの創業100周年を意味する。

それぞれが車検を終え、参戦選手は夕方から行われたドライバー&ライダーミーティングに参加し、レースデイ初日を終えた。走行は現地時間25日(火)からスタートとなる。ところが、舞台となるパイクスピーク・ハイウェイでは、例年にない降雪の影響で連日アッパーセクション(標高の高い区間)の通行ができない事態が続いている。明日からの走行にも支障がきたす恐れがある。

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