オフィスBMの取材日誌 自動車系物書きのクルマとバイクと…

記者として、カメラマンとして 日々自動車&バイク関連を追いかける、クルマメディア業界の何でも屋・青山義明のブログです。

2018年02月

筑波サーキットのコース2000を使用して「ドリフトキングダム」開幕戦が2018年2月25日(日)に開催となった。「ドリフトキングダム」は、2011年から開催されてきた「ドリフトマッスル」が名称変更して生まれ変わったドリフト競技イベント。ドリキンこと土屋圭市さんが「世界でわかりやすい名前」を、ということで名付け親となって誕生している。
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その内容は、基本的には「ドリフトマッスル」を継続しており、参加者も多くがマッスル出身者となる。マッスルでは「マッスルクラス」、「スーパーマッスルクラス」という上下2クラスが用意されていた。このキングダムでも「クラブマンクラス」と「プロクラス」という名称の2クラス制となるが、マッスルでは2クラスのダブルエントリーが禁止であったのに対し、このキングダムでは、両クラスにエントリーができるようになった。「クラブマンクラス」をメインに戦う選手でも「プロクラス」への挑戦が可能となるわけで、若手ドライバーに腕試しの場を提供したいという土屋審判員長の配慮だという。

ほかにも、シリーズポイントは有効ポイント制(全7戦のうち6戦のポイントでシリーズポイントが計算される)を採用。そのため遠征が厳しいとあきらめていた選手でもシリーズのタイトルを狙いやすくなった。また、安全性を配慮し、タイヤの空気圧規定が設けられ、冷間時で1.2kgf以上でなければならず、競技後に空気圧チェックが入るようなっている。
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そのドリフトの審査を行うのは、ドリキン土屋圭市審判員長とSUPER GTでも活躍する松田次生審査員の2名となる。新シリーズとなっても、「かっこいいドリフトを評価する」という審査評価は変わらない。
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開幕戦の舞台となるのは筑波サーキットのコース2000。筑波サーキットでの開催はマッスル時代を通して3年ぶりだが、コース2000を使用するのは今回が初めてとなる。コース2000の1コーナーの進入からスタートし、1コーナーの立ち上がりからS字を経て第一ヘアピンを通過するまでを競技区間とする。

昨年スーパーマッスルクラスでランキングを争った面々はもちろん、マッスルクラスで熾烈な争いを繰り広げてきたランキング上位勢も顔をそろえ、全29名のドライバーがこの開幕戦プロクラスに、20名がクラブマンクラスに集結した。

この日の筑波周辺は、朝からどんよりとした曇り空。時折冷たい風が吹く一日となった。気温も路面温度もまるで真冬のような低さで、各選手とも厳しい戦いを強いられることとなった。
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予選単走では、2013年のドリフトマッスル・チャンピオン木口健治選手(#28 サイトウロールケージC33/C33)がトップ通過。平岡英郎選手(#777 MADFACE ZT RX-7/FD3S)、そして昨年ドリフトマッスル・チャンピオンとなった前田 翼選手(#74 ZESTINOオディエイティー/RPS13)がこれに続く。
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しかし、16台による決勝追走トーナメントにステージが移ると、前田選手はシフトミスにより接触を受けリタイヤ。木口選手もマシントラブルで準決勝敗退とトラブルも続出。結果、準決勝まで勝ち上がってきたのは、昨シーズンのマッスルクラスでランキング争いを繰り広げてきた野島卓弥選手(#538 ゼグラスDUNLOPサバビア/S13)と斎藤久史選手(#51 mature with 宮精密/RPS13)。そして、これまで使用してきた黄色のチェイサーの修復が間に合わず、奥さんのマシンを持ち込んだという箕輪慎治選手(#23 HEYMAN!!チェイサー/JZX100)と平岡選手の4名。

準決勝は、マッスルクラス最後のチャンピオンである野島選手が勝ち抜け、平岡・箕輪対決はサドンデスまで持ち込んだものの箕輪選手がこれに競り勝って、決勝戦へと駒を進めた。
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しかし、その決勝戦では、野島選手が先行の1本目はドリフトが戻ってしまい、2本目の後追いでは箕輪選手に接触と2本続けてミスを犯し敗退。この日追走の後追いで何度も完ぺきな寄せを見せた箕輪選手が貫録の勝利を決めた。
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「自分のクルマでなかった、ということで単走では乗り切れていなかった部分もありますが、今まで勝てたのはクルマのおかげだといわれないように追走では魅せる走りをしました。次の日光もこのチェイサーで参戦します」と箕輪選手(写真中)。2位に入った野島選手(写真右)は「今シーズン念願の上位クラスに上がったんですが、まさかの決勝戦進出で変なテンションになっていました。それで必死に追いつこうとがんばったら失敗してしまいました。箕輪選手の奥さん、ほんとにスイマセン。次はかっこいい決勝戦を見せられるよう頑張ります」。今シーズンから使用タイヤを、フェデラルからゼスティノに変更して参戦し3位となった平岡選手(写真左)は「このタイヤを初めて使ったのが今回の公式練習のタイミング。まだタイヤの特性が読み切れていないのが最大の敗因でした。次戦日光までにはもっとタイヤを知って勝てるように準備します」とコメントした。

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クラブマンクラスでは、決勝戦へ勝ち上がってきたのは、予選単走トップの忍田伸郎選手(#33 テクノプロスピリッツS14/S14)と、なんと予選単走15番手通過の金田ワグネル・ヒロミ選手(#44 DG5 S15/S15)。この最後の勝負に競り勝った金田選手が見事クラブマンクラスでの優勝をもぎ取った。金田選手は、この日ドライブシャフトが2回も折れるという困難(?)を乗り越えての優勝。
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「初めての筑波2000はトラブルの影響で練習できなかったのですが、皆さんのおかげで、追走に間に合ってうまく優勝まですることができました。ありがとうございました」とコメントしてくれた。

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この日、パドックでは来場者を対象としたイベントも盛り沢山で、チェリオの「ライフガード無料サンプリング」、審査員の土屋圭市さん、松田次生さん、そしてMC勝又智也さんによる「トークショー&サイン会」、来場した子どもたちを対象とした「コースde宝さがし」、そして「優勝者当てコンテスト」といった催しも行われた。
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土屋審判員長は「筑波は難しいコース。S字コーナーの1発目でちゃんと決めないと第1ヘアピンまでまとめられない。そこをちゃんと合わせこんでくるドライバーが結果として勝ち進んできた。今日の箕輪は見事だった」とコメント。

松田審査員は「ドリフト競技を見ることがあまりなかったのですが、その迫力だったり、ほかにはないようなことが起きたり、いろんな車種が参戦していて、すごく楽しいってことを再確認しました。もっとこの面白さ・楽しさを広めていきたいですね」とコメントしてくれた。ドリフトキングダム、続く第2戦は、3月24日(土)~25日(日)の2日間、栃木県にある日光サーキットで開催となる。

大阪オートメッセも無事に終わりました。初日は大雨、最終日は雪に見舞われ(公共交通機関の乱れや高速道路の規制など)、となかなかハードな天候の乱れもあり、数字的には厳しい状況となりました。
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来場者数は、初日:62772名、2日目:92557名と、初日・2日目は前年を上回ったものの、最終日の3日目が62178名と落ち込みが大きく響き、合計:217507名と昨年の223983名を下回る結果となりました。
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私個人的には、1月の東京オートサロン(TAS2018)に引き続いて、この大阪オートメッセ(OAM2018)も3日間を通して会場でお仕事をさせていただきました。TAS2018では、速報記事の制作に勤しんだわけですが、OAM2018では、CARトップ・ブースにあるステージの進行等を担当させていただきました。

CARトップ・ブースでは、今回も各方面からさまざまなゲストを迎え、実に内容の振れ幅の広いトークショーを展開。あまり仕込みの時間がなく、ゲストに無茶振りを強いるトークショーばかりでしたが…(汗)
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また、今回は2月13日発売のムック「ドリフトキング・土屋圭市」(価格1500円)の先行販売もありまして、ドリキン・サイン会も開催(それも3日間毎日⁉)。売れ行きは好調で、用意した先行販売数を軽く上回り、追加発注分もほぼ完売するほど、でした。
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しかし、さすが土屋さんです。本を山積みにしても、「全部サイン書けばいい?」と、全く拒む様子もなく、次々にサインを書いていただきました。土屋さんの働きっぷりにまたしても感動です。

なんとなく暇で、毎日パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2018(6月24日決勝)のエントリーリストをチェックしています。ま、こちらのエントリーリストというのは、あまりかっちりとしていないというもので、ちょこちょこ変更はありますし、さらには車両とかドライバーとかダミーっぽいものも多く、日々見ていて飽きない、です。

昨日、現地時間2月5日付の更新がありました。1月18日の発表から4回目の更新です。当初は4輪69台、2輪28台の97台のエントリーだったものが、エントリーの取り消しなどもあって95台(4輪68台、2輪27台)まで減っていました。

ところが最新のリストには4輪が1台増えて96台に戻しました。さて、何が増えたのかなぁ、と思ってみてみますと、ありました。

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タイムアタッククラスにゼッケン230、Fumio Nutahara/Japanと! 

奴田原文雄選手といえば、2012年にTRD USAのEVで参戦。その後はTRDが制作したトヨタ86 TRD 14R-60で2016年に参戦しています。
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ところが今回出走するクルマは「2018 Nissan Leaf」とあります。パイクスピークに出るならTRDの車両とばかり思っていたのですが…。

さて、2012年のPPIHCエレクトリッククラス優勝の経験がある奴田原文雄選手。リーフでどんな走りをするのか? それとも日産リーフはダミーで、実は他の車両で出走(車両変更)があるのか? まだまだ注目していきたいですね。

6月24日に決勝を迎えることとなる、アメリカ・コロラドで開催される第96回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムですが、そのエントリーリストが更新され、ついに、山の男の名前が並ぶこととなりました。
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WEC(FIA世界耐久選手権)、そしてル・マン24時間レース、ニュル24時間レースなどの耐久レースで優勝経験を持ち。さらにはラリーにも参戦するなど積極的な活動を展開しているフランス人レーサーであるロメイン・デュマ選手です。
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このパイクスピークでも、2012年に初参戦&ルーキー賞受賞。2013年はリタイアしたものの、2014年総合優勝。そして2016年、2017年総合連覇という輝かしい戦績を残しているドライバーです。
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デュマ選手は、これまで一貫して内燃機関車で挑戦してきたわけですが、3連勝がかかる今回、以前から参戦発表のあったフォルクスワーゲンの電気自動車での参戦が発表されました。

フォルクスワーゲンにとっては1987年の参戦以来、31年ぶりにパイクスピークにもどってくることとなります。ワークス体制を敷いての参戦、それに今パイクスピークで最も速い男との組み合わせ、どのような結果が出るのか、今から期待しちゃいます!

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