オフィスBMの取材日誌 自動車系物書きのクルマとバイクと…

記者として、カメラマンとして 日々自動車&バイク関連を追いかける、クルマメディア業界の何でも屋・青山義明のブログです。

2015年02月

「どうもスタンスがわからない」
というのが最近の日産自動車の燃料電池自動車(FCV)に対しての状況。というのも、ことあるごとにEVの優位性を訴え、否定はしないもののFCVに対してのコメントは「その開発を急がず、まずはEVを主力商品として取り組む」というものばかりだ。
f866d767.jpg
しかし、一方で、2月12日にトヨタ、日産、ホンダの3社で、FCV用の水素ステーションの整備促進に向けた支援策を検討し、共同で取り組むことに合意したと発表している。FCV(の市販車)は作らないのに水素ステーションの整備には積極的。

実に矛盾した内容のように見えてならない。

日産は1996年にFCVの技術開発に本格的に着手。2005年にはX-TRAIL FCVを登場させ、その後も同型の車両ながらFCスタックや高圧タンクを搭載した進化モデルを登場させるなど開発を進めており、2011年の共同宣言では、トヨタ(予定より前倒し)やホンダとともに2015年には市販FCVを市場に投入する、ということを発表していた。
7eabd5c8.jpg
しかし、2013年1月末に、日産&ルノー・アライアンスとダイムラー&フォードによるFC共同開発という新たな取り組みをスタートさせ、FCV市販スケジュールは現在のところ明確には示されていない。

その状況に、ある関係者から「(FCVを急いで出さないのは)米国のZEV規制に引っ掛からないからですよ」というヒントをもらった。ZEV法とは、自動車メーカーに販売台数の一定割合を排ガスゼロ車(ゼロ・エミッション・ヴィークル=ZEV)とするように義務付けるもの。車両を大量に販売するためには、ZEVも同様に一定割合以上販売しなければならない。ZEVの割合が低ければ、その排出権を他メーカーから購入という形を取らなければならないのだ。実際、ピュアEVしか製造していないテスラモーターズはこのZEVクレジットの排出権販売でかなりの収入を得ているという。

そこで日産に話を戻すと、実のところ米国でのリーフ販売はそれなりに好調でZEVクレジットを販売できるほどの台数を出荷している。ZEV法は2017年以降義務水準が引き上げられ、ハイブリッド車ではクリアできなくなる。そのため、ピュアEVを持たないトヨタやホンダはFCVでその巻き返しを図らなければならず、FCVの市販を急いでいる。

一方の日産はとりあえずリーフがある。それを考えれば、当面はEVの販売などにリソースを割き、FCVについては価格やインフラの整備具合を探りながら投入タイミングを見計らっている、ということは容易に想像できる。

日産とFCVの共同開発をしているダイムラーからは、日本国内(!)でのFCVの販売が近いとう発言があった。ダイムラーがFCVを導入するのは、そういった環境適合とかとは別の、世界で初めて自動車を作ったメーカーとしての意地で、早期の販売を急いでいるのでは? という見方がある。

いずれにせよ日産、フォードと同じFCユニットを使用するはずで、ダイムラーが市販するタイミングで、すでに共同開発する各社も市販FCVができる技術レベルに至っていると推測できるだろう。

日産が開発しているFCVがどのような車両になるのか、という点は現在全くアナウンスされていない。どういったFCVを、どのタイミングで出してくるのか? 先行する2社にどういったアドバンテージを見せるのか、トヨタ・ホンダの2社のFCVが出た後の日産の動きに注目したいところだ。

2015年で第13回目となる「全日本学生フォーミュラ大会」のエントリー受付が1月30日に締め切られ、エントリーリストおよびカーナンバーが公開されました。今回は、ICVクラスとEVクラスの計90チームとなりました。残念ながら昨年の96チームからエントリー数自体は減少したものの、今年も海外から15チームがエントリー。そして、初参加となるチームは11をかぞえることになります。EVクラスは8台から1台増えて9台となりました。
4d46dff5.jpg
学生フォーミュラは、学生たち自らが後送・設計・製作した車両によるものづくりの総合力を競うというものです。1981年のアメリカでの大会を元に、日本大会は2003年から開催され、現在はフォーミュラSAEシリーズ大会として世界8か国11大会のシリーズに組み入れられている。また、2013年大会からEVクラスも設定しています。

車両は610㏄以下の4サイクルエンジンを搭載(ICVクラス)、もしくは、バッテリーからの最大電力が連続的に85kWを越えない最大公称作動電圧600VDC以下(EVクラス/モーター数は制限なし)のひとり乗りフォーミュラマシン。年間1000台の生産を想定したビジネスモデルとすること、といった車両規則があり、企画から設計製作、走行までを一貫した評価審査します。
f2fe21c2.jpg
90台のエントリーの中から、ここから6月までに車両の製作とともに各種提出書類の作成・提出がなされ、早いものであると5月15日には電気システムフォーム(ESF)、故障モード影響度解析(FMEA) といった書類提出(この書類はEVフォーミュラクラスのみ)が課されています。さらに他にも書類の提出期限が設けられており、これら提出にも遅延一日あたり10ポイントのペナルティが課される(遅延提出期限も設けられている)など、締め切りにも厳しい審査が付いて回ります。

書類選考を通過したチーム(7月31日発表)が本大会出場の切符を手にすることとなります。「第13回全日本 学生フォーミュラ大会」の本大会は、2015年2015年9月1日(火)~5日(土) の5日間、静岡県の掛川市と袋井市にまたがるエコパ(小笠山総合運動公園)で開催されます。

2月12日に登場したホンダ・ジェイドの試乗会が千葉・某所で行なわれた。セダン並みの低全高(アンテナ上端部までの高さが1530mm)にミニバン並みの3列シート6人乗りというパッケージを持つ新しいクルマだ。
4603cc89.jpg
その試乗会の様子は次号CARトップを参照していただければ幸いだ。試乗と撮影を終えた後は、開発陣とじっくりと話をする機会が設けられる。ひと通りジェイドの話を聞き終えた後、最近気になっていることを聞いてみた。
2d5947cc.jpg
それは最近、偽装車の遭遇事例が多い、ということ。上の写真はweb CARTOPスタッフが都内で目撃&レポート(レポートはこちら)した某ミニバンだが、他にも伊豆方面で某軽オープンが目撃されたりと、その手の話をよく聞く。
479ac1e2.jpg
すると、「このジェイドでも偽装車で(実際の走行チェックを)やってましたよ」とずいぶんとあっさりと答えてくれた。今回ジェイドでは、レジェンドやアコードPHEVにも採用されているノイズリデューシングアルミホイールをクラス初採用している。これは、レゾネーター(消音装置)を、ホイールを取り巻くように装着し、高速道路のつなぎ目の通過時などのタイヤ内部で発生する不快な共鳴音を抑制するもの。テストの詳細は聞けなかったが、こういったもののテストもしていたのだろう。

スク―プ写真のこの某ミニバンも、走行系部署だけでなく各部署のスタッフが集まっていろんな確認をしていたようだ。現在、ホンダでは車両開発の最後の仕上げには、実際の道で最終チェックを行なっている、というのだ。テストコースだけでなく、実際の道で仕上げる、ホンダ開発陣の気合いがよくわかるというものだ。

「公道でのテストの場合、行先はどこになるの?」と聞いてみると「東北道であったり、首都高速であったり、一般道であったり、とその必要とする項目によって行先は異なりますよ」ということだった。首都高のPAとかで待っているとスクープ写真が撮れるかもねぇ。

大阪オートメッセ2015のCARトップ・ブースでは、併設のステージで、のべつ幕無しでトークショーが開催されています。内容はスポーツカーからEV、モータースポーツまで幅広いジャンルでやっています。

テーマが全く変わるので、お客さんも入れ替わるはずですが、いつも居る面々もいます。彼もそんなウチのひとりです。
23a8ce34.jpg
ということで、その彼は、SUPER GT 2014シーズン、#23 MOTUL AUTECH GT-Rを駆り、ロニー・クインタレッリ選手とともに見事チャンピオンを獲得した松田次生選手です。

このGT-Rマガジンのトークショーでは、元日産自動車 R32実験主担、R33/34商品主管の渡邉衝三さん、モータージャーナリスト清水和夫さん、GT-Rマガジン野田航也編集長、そしてD1グランプリのナレーションでもおなじみの鈴木学さんが司会を務めるセッション。リアルにこのトークショーを訊きに来たということです。
4043c9e5.jpg
他にも、土屋圭市さんと元マツダ ロードスター開発主査の貴島孝雄さんらが登壇したスポーツカー・トークショーでも、話を訊きに来ていました。
a88d83e4.jpg
さすがに、この回では、登壇している土屋圭市さんに見つかって、強制的にトークショーに参加させられていましたね(笑)

一般社団法人 花の国日本協議会が企画し、2011年から全国各地で様々なイベントを開催してきた「フラワーバレンタイン」。これは『女性からチョコ』ではなく『男性から花束を贈る』というコンセプトでさまざまなキャンペーンを行うイベント。六本木ヒルズや渋谷ヒカリエといった特設会場を中心に全国各地でイベントが開催される。
4319bdd6.jpg
そのキャンペーンのメインともいえる六本木ヒルズの会場では、「フラワーバレンタインカフェ」なるものが登場。ここは春の花で彩られたカフェ空間で、フラワーバレン
タインオリジナルドリンク&スイーツも提供される。
62bf4114.jpg
そのカフェの前に登場したのが、花で装飾されたフラワーバレンタインカーに変身した86のオープンモデルだ。これまで幾度となく話題に上がってくるオープンモデルだけにどんなモデルが? とかすかな期待を胸に会場へ向かったが、残念ながらそのバレンタインカーとして登場したのは、2013年のジュネーブショーで登場したFT-86コンセプトそのもの。トヨタモーターヨーロッパが製作した左ハンドルモデルで、、現在基本的にはその役を終え、各地でのイベントに使われているということだ。
22ef2f29.jpg
ちなみにこのバレンタインカー、フラワーアーティストの丹羽英之さんによってデコレーションされ、「TOYOTA86×フラワーバレンタインフォトスポット」という名で2月7日、8日の2日間展示された。

このページのトップヘ