オフィスBMの取材日誌 自動車系物書きのクルマとバイクと…

記者として、カメラマンとして 日々自動車&バイク関連を追いかける、クルマメディア業界の何でも屋・青山義明のブログです。

2013年03月

昨年2月から開始した先行開発車事業第3号試作車が完成し、SIM-Driveの記者発表会が行なわれました。SIM-Driveの試作車は、SIM-LEI、SIM-WILに続く3台目になります。
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26社の参画でできあがった3台目は、SIM-CELと名付けられました。CELは、Cool Energy Linkの略で、EVを加えたエネルギーのスマート利用も対象とした、先行開発事業の結果ということで名づけられています。
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基本的には、ダイレクトドライブ方式インホイールモーターと、コンポーネントビルトイン式フレームを採用しながらも、これまでの2台とは大きく異なり、「突き抜ける加速感」をコンセプトにハイパフォーマンス(車両の動力性能だけではなく、エネルギーのスマート利用という意味も込めて)が基本概念だということです。

車体重量の軽減も積極的に進めており、SIM-WIL比で2.7㎏減。新しいモーターを開発(850Nmへトルクアップ)し、0→100㎞/h加速は4.2秒を達成。さらに世界最高レベルの電力消費量となる91.2Wh/km(JC08モード)を達成したということです。 そしてEVのエネルギーを使ったサービス構想を確立ということで、スマート・トランスポーテーションという概念を取り入れています。目的別コンテナという発想で、家庭用と電池を共用化したり、コンテナの中にレンジエクステンダー用のエンジンを積んだり、燃料電池のFCスタックを積むようなことも将来的にはありうるのでしょう(大きさやタンク類はともかく)。また、エネルギーの相互利用サービスなどの展開もあるようです。

これまでの車両と比べて、非常に奇抜なデザインです。もっとも端的に表れているのは、シェブロンスポイラーという波型のスポイラー。これは空気のはく離音を抑えるとともに、空力的に非常に優れているというものです。Cd値(空気抵抗係数)は0.199を達成しています。また、トレッドはこれまでのナロートレッドからワイドに(SIM-WIL比でF:1405mm→1530mm/R:1375mm→1500mm)。そしてタイヤサイズも18565R15から195/55R16(ホイールも15×5.5Jから16×6J)へと変更となってます。
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また、SIM-Driveの先行開発車事業第4号に関する発表も行なわれました。第4号は2月25日から2014年3月31日までの期間で、14社の参加。時代を画するインホイールモーターと4輪独立制御技術を投入するとしている。内容としてはこの3号車の成果を拡大し、新分野への挑戦も行なうとしています。(XaCARレポーター・青山義明)

日産本社の1階にある横浜グローバル本社ギャラリーでは、トークショーや各種イベントが開催されています。最新車両はもちろんですが、特別な車両が飾られていることも多々あります。
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これは1月に展示されていたリーフのパトカー。映画「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」で使用されたものですね。

で、現在展示されているのが、インフィニティのコンセプトカー。それもエマージ(2012年ジュネーブモーターショー出展車)、エセレア(2011年ジュネーブモーターショー出展車)、エッセンス(2009年ジュネーブモーターショー出展車)の3台同時展示です。
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今回、日本初公開となるのが、3気筒エンジンを搭載したレンジエクステンダー付EVのインフィニティ エマージ(EMERG-E)。0→96㎞/h(時速60マイル)加速が4秒というミドシップ2人乗りスポーツカー。ツインモーターを搭載し、出力は402bhp(300kW)です。
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インフィニティ エセレア(ETHEREA)は、全長4.4mのコンパクトなラグジュアリーカー。クーペのようなスタイルに、セダンのような室内空間、ハッチバックの持つユーティリティを持ち合わせたモデルで、若い世代にアピール。
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インフィニティ・ブランドの方向性を提案する高級スポーツクーペのコンセプトカー、エッセンス(ESSENCE)。ツインターボチャージャーを搭載した3.7Lエンジン(440hp)と、3Dモーター(160hp)を組み合わせたパラレル・ハイブリッドシステムを搭載する。

3台の展示は、4月14日(日)までです。期間は短いですが、気候も良くなってきた春の散策がてらにいかがですか?

先日、首都高速・大黒パーキングに立ち寄った際ですが、なんと、急速充電器が撤去されていました。「これはどうしたことか?」と慌てましたが、実は新しい充電器への設置換え工事をしていたところでした。
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大黒パーキングは、首都高速神奈川5号線と高速湾岸線の合流部分の大黒ジャンクションの中にあり、ベイブリッジを眺めるのにも丁度良いパーキングエリアです。クルマやバイクのミーティングなどにも使われてきましたから、今さら説明するまでないですよね。

そのパーキングエリアには、ずいぶんと早くから急速充電器が設置されていました。当初は50kWタイプでしたが、つい最近までは30kWタイプの充電器でした。日産リーフが登場した際には、多くのメディアに露出された充電ポイントでもありますね。

現在工事中ですが、予定では3月29日午後6時以降は使用可能となるとのことです。
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さて、首都高速ではこれまでは充電料金は無料だったのですが、つい先日、『「チャデモチャージ」と提携』というリリースが出され、有料化への第一歩に踏み切るようです。まずは会員制(有償)充電ビジネスの事業性確認実験としてのサービスを開始することになります。登録だけで、平成25年度いっぱいは充電料金は無料ということだそうですが…。

「チャデモチャージ」とは充電網整備推進機構が進めているEV用急速充電サービスのことです。詳しくはこちら

もちろん、この大黒PAでの急速充電器のリニューアルは、この認証にも対応するモデルになるわけですね。

今後、EVへの充電には、このチャデモチャージに入会していることが条件となるようです。充電器側に、事前の登録で郵送されてくるカードをかざす必要がありますが、その場でQRコードを読み込むことのできる携帯からの入会(クレジットカード番号が必要)も可能とのことです。
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リリースによると、今度の充電器は、より軽量の充電コネクタを備え、かつ音声案内が付いた新型ということです。基礎から作り直し、と「軽量充電コネクタ」採用。「もしかして、あれかしら?」と、急速充電器マニアとしては、ちょっと楽しみな春だったりします(XaCARレポーター・青山義明)

昨年、7台のEVがエントリーし、日本人オフローダーたちがこぞって参戦して話題となった、パイクスピークインターナショナルヒルクライム。その暫定エントリーリストが2月11日に発表されましたが、3月19日にアップデートされました(今年の決勝は6月30日)。
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エレクトリッククラスは、前回の発表では10台がリストに載っていました。エリアス・アンダーソン(ゼッケン311 2013年式HCE/XP-13)、マイケル・ブレーム(ゼッケン13 1995年式BMW/Electric M3)、塙郁夫(ゼッケン8 2011年式Summit/HER-02)、ジャニス・ホーリック(ゼッケン100 2013年式eO/PP01)、ロッド・ミレン(ゼッケン76 2013年式トヨタ/TMG EV P002)、田嶋信博(ゼッケン1 2013年式Tajima Motor/E-RUNNER)、ロイ・リチャーズ(ゼッケン24 2012年式ホンダ/Fit)。それと奴田原文雄(車両はTBD)とTBD(未定)の2台でした。

しかし今回、アップデートされたリストにはエリアスの名前がありません。昨年エレクトリッククラス3位に入賞した注目の軽量EVマシン。軽さを極めたこのマシンのさらなるポテンシャルアップを期待していたのですが…。
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昨年初参戦だったエリアス・アンダーソン選手。

また、TBDのペンディングリストから奴田原選手の名前もなくなってしまっています。ちょっと残念ですね。気になる三菱自工の名前はまだありません。三菱関係者からは、すでにエントリーを済ましているという情報も得ているので、ペンディングリストの2台がそれなのはほぼ確実ですが、どのような発表があるのか、楽しみですね。

昨年は合計7台でしたが、現時点でEVクラスの参戦は8台となるようです。もう少し台数が増えると思ったのですが、やっぱりEVを強力にプッシュしているあの会社が参戦してくれないことには、ねぇ…。

2輪クラスにも新たにExhibition Powersports- Zという暫定(1年のみ)クラスが設けられ、6台のZERO社(アメリカ)の電動バイクが参戦することになります。モデルは、S(ストリートモデル/モーター出力40kW/92Nm 最高速153㎞/h)が3台、FX(モタード系ストリートモデル/モーター出力20~37kW/95Nm 最高速137㎞/h)が2台、MX(モトクロスモデル/モーター出力40kW/92Nm 最高速137㎞/h)が1台。こちらも盛り上がる可能性もあり! EVの2輪vs4輪対決というのも見てみたいですね。(XaCARレポーター・青山義明)

3月15日、国土交通省は「超小型モビリティの導入促進」事業の対象案件の決定を発表しました。それによると2月1日~20日に募集された超小型モビリティの導入促進事業」のうち、15件の事業(車両台数は489台)が支援対象となったようです。この15の事業には、先導・試行導入に係る事業計画の実施費用(車両導入、事業計画立案及び効果評価費等)の1/2(民間事業者等では1/3)が補助されます。
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実際に事業に導入される車両489台の内訳をみてみると、トヨタ車体コムス416台と圧倒的な台数となっています。続いて、日産ニューモビリティコンセプトが50台、そしてホンダ・マイクロコミュータープロトタイプが20台となりました。
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セブンイレブンでの導入はなんと280台。そして豊田市の「豊田市低炭素社会システム実証推進協議会」で100台という大きなプロジェクトに軒並み採用されたコムス。

以上486台、実に99%以上が自動車3メーカーのものということでした。中小企業の参入もあるのでは、という期待があったのですが、今回のこの導入事業の対象には含まれなかったようです。

そんな中で唯一、大メーカーと張り合う形で、3台の事業導入を果たした車両があります。それが、コボットの「KOBOTθ(シータ)」です。

コボット? 会社名も車名も聞いたことないですね。でも、実は一昨年末の東京モーターショーに出展、コボットのコンセプト車両が展示されていました。それが、下の写真。
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写真手前から、一人乗りのKOBOTν(ニュー/赤いマシン)、KOBOTβ(ベータ/緑のマシン)、そして二人乗りのKOBOTπ(パイ/白とオレンジのマシン) 

この時は「興和テムザック」という会社名で、電動モビリティ「KOBOT」(コボット)のコンセプトモデル3台を登場させていました。社名は、昨年6月に「コボット」に変更したということです。

東京モーターショーで出展していたコンセプトマシン「KOBOTπ(パイ)」をベースに進化させたモデル「KOBOTθ(シータ)」が福岡県糸島市の「超小型モビリティ等観光活用推進協議会(糸島市観光協会、明和製作所、九州大学、福岡県糸島市)」に2台、そしてコボット社のある福岡県宗像市に1台が導入されます。

この新しい車両区分、どのように社会に溶け込んでいくのか、が気になりますし、実際にKOBOTを福岡に行って見てみたいですね。(XaCARレポーター・青山義明)

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